浴衣をきれいに着こなすためには、着たあとのお手入れも大切です。
特に、たたみ方を知っておくと、シワを防げるだけでなく、毎年気持ちよく使うことができます。
この記事では、初心者の方でも簡単にできる浴衣のたたみ方を、写真でわかりやすく解説します。
収納や保管にも役立つので、ぜひこの機会に覚えてみてくださいね。
🔶浴衣をたたむ前の準備

浴衣をきれいにたたむためには、事前のひと手間が仕上がりを左右します。
▶脱いだ浴衣は、すぐにたたまないのが鉄則
脱いだ浴衣は、そのままたたむのではなく、
風通しのよい場所でハンガーにかけて湿気を飛ばすことが大切です。
こうすることでシワが自然に伸びるほか、汗やニオイも取れやすくなります。
特に夏場で汗をかいた場合は、しっかりと湿気を取り除くことで、
カビや黄ばみを防ぐ効果もあります。
補足:1〜2回の着用なら、外干しだけでもOK
数時間の着用などで汚れが少ない場合は、和装用ハンガーに掛けて陰干しするだけでも十分です。しわにならないよう、肩のラインを整えて干しましょう。
▶洗濯が必要なときの判断と対処法
汚れや汗が気になる場合は、浴衣を洗ってからたたむのが理想です。
「自宅で洗えるの?」と不安な方も多いですが、
素材と手順に注意すれば、自宅でも十分にお手入れできます。
- 部分的な汚れ: 目立つ箇所だけを手洗いでやさしく落とします。
- 全体的な汚れ: 浴衣全体が汗や皮脂で湿っている場合は、軽くたたんで洗濯ネットに入れ、弱水流で洗濯機へ。脱水後はすぐに取り出して、形を整えながら干しましょう。
乾いたあとは、必要に応じてアイロンをかけて整えてから、たたみに入ります。
▶湿気を取ったら、しわをしっかり伸ばしておく
浴衣をハンガーにつるして湿気やニオイを飛ばしたあとは、
しわを丁寧に伸ばしてからたたむのがポイントです。
特に帯を再利用する場合は、結び目の部分にシワやヨレができやすいため、
**手のひらでやさしく撫でるように伸ばす「手アイロン」**がおすすめです。
体温が残っているうちに整えると、自然と形が戻りやすくなります。
それでもしわが残っている場合は、アイロンを使って整えましょう。
このときは、
- 直接アイロンを当てず、必ずあて布を使用
- 霧吹きも直接かけず、あて布にかけてからスチーム
といった点に気をつけることで、生地を傷めず美しく仕上がります。
こうしたアフターケアをきちんとしておくことで、次の年も気持ちよく浴衣を着ることができます。
▶汗をかきやすい部分は、簡単な部分洗いでケア
浴衣は襟・両わき・ウエストまわりに汗をかきやすく、汚れが残りやすい箇所です。
たとえ汗が乾いていても、そのままにしておくとニオイや変色の原因になることもあります。
そんなときは、部分的に手入れをするだけでも十分効果的です。
簡単な手入れ方法
- 乾いた白いタオルを浴衣の裏側にあてる
- 濡らしてしっかり絞ったタオルで、表からやさしく叩くように汗を取る
- 汗がタオルに移るよう、押さえるようにケアするのがコツです
生地によっては色落ちする可能性があるため、
心配な方は目立たない場所で試してから行うと安心です。
🔶写真で解説!浴衣のたたみ方の手順

浴衣には「正しいたたみ方」があります。
シワを防ぎ、次のシーズンまで美しく保管するためにも、ぜひ覚えておきたいポイントです。
たたみ方は基本的に着物と同じで、「本だたみ」と呼ばれる方法が一般的です。
浴衣でもこのたたみ方がよく使われており、男性用の浴衣も同じ手順でたたむことができます。
広げてたたむため、なるべく広いスペースを確保して行うのがおすすめです。
※狭い場所ではシワができやすいため注意しましょう。

浴衣を左図のように広げ
衽線(点線)の縫い目で下前部分を
折り下げます。

肩衿廻りを平に広げて(STEP.2)
衿を内側に折り返します。(STEP.2-1)


折り返した下前の衽の上に
上前の衽を重ね、衿も揃えて重ねます。
衿先、褄先をきちんと重ね合わせます。
(同じ色の☆印を合わせるように)

背縫いで折り、
上前身頃の脇線と下前身頃の脇線を
揃えて重ねます。

上側の袖を袖付けから折り返して、
身頃の上に重ねます。

身頃を二つに折ります。
注意:
- 衿先を折らないよう気を付ける。
- 三つ折りにする場合は袖を折らないよう気を付ける

そのまま崩さないよう
上下を裏返します。

もう一方の袖も折り返します。

出来上がりです。
たたみ終えた浴衣は、上から軽く手で押さえ
空気を抜いてなおします。
たとう紙に入れる時は衿を左にして
なおすよう気をつけましょう。
🔶浴衣をきれいに保つための保管のコツ

季節の終わりに浴衣を片づけるときは、湿気・シワ・虫食いに注意して保管しましょう。
せっかく丁寧にたたんだ浴衣も、収納方法を間違えるとカビや黄ばみの原因になります。
次のシーズンも気持ちよく着られるように、ちょっとしたひと手間が大切です。
通気性のよい素材に包んで
浴衣は、ビニール袋ではなく「たとう紙」や「不織布袋」に包んで保管するのが理想的です。
空気を通しながら、ホコリや湿気から守ってくれます。
市販のたとう紙は100円ショップでも購入できます。
湿気対策には乾燥剤を
収納ケースに入れる際は、衣類用の乾燥剤を一緒に入れておくと安心です。
特にクローゼットや押し入れなど湿気がこもりやすい場所では、こまめな交換を心がけましょう。
虫干しでカビ・におい対策も
浴衣を着る機会が少なかった年でも、
年に一度は風通しのよい日陰で広げて「虫干し」するのがおすすめです。
湿気やにおいを飛ばすことで、生地が長持ちします。
🔶まとめ|たたみ方を覚えて、浴衣を長く美しく
浴衣は、たたみ方ひとつで次に着るときの印象が変わります。
正しくたたむことで、シワや型崩れを防ぎ、毎年心地よく浴衣を楽しむことができます。
ほんの少しの習慣が、大切な一着を長く保つ秘訣です。
ぜひ今回の手順を参考に、あなたの浴衣ケアに取り入れてみてくださいね。