3歳七五三の完全ガイド|衣装・撮影・当日の流れと楽しみ方

七五三

3歳の七五三は、親にとっても子どもにとっても初めての大きなお祝いです。

「小さな着物を着られるかな」「長い時間、機嫌よく過ごせるだろうか」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

そんな心配も含めて、七五三は家族にとって大切な思い出づくりの時間です。

この記事では、衣装の準備から当日の流れ、記念撮影の工夫までをまとめてご紹介します。

肩の力を抜いて、「子どもの今の可愛らしさ」をそのまま残せる七五三になるように、一緒に準備を進めていきましょう。

3歳の七五三とは?

七五三の由来と意味

七五三は、子どもの健やかな成長を願うために平安時代から続いてきた伝統行事です。

昔は幼い子どもが無事に大きくなることが難しかったため、節目ごとに祈りを込めてお祝いをしてきました。

その風習が武家や公家を通じて広まり、今のように「七五三」として広く親しまれるようになりました。


なぜ3歳でお祝いするのか

3歳のお祝いは「髪置きの儀(かみおきのぎ)」に由来しています。

かつては幼児の髪を剃って育て、3歳を迎えると髪を伸ばし始めることで「ここまで元気に育ちました」という節目を祝っていました。

現代ではその意味合いが受け継がれ、特に女の子にとって大切な最初の七五三とされています。

小さな被布姿やドレス姿は、この時期ならではの可愛らしさを引き立ててくれます。


3歳は特別な節目

7歳や5歳に比べて、3歳の七五三はまだまだ幼さが残る年齢です。

親にとっては「赤ちゃんから子どもへと成長する瞬間」を感じる時期でもあります。

背伸びした装いをしても、笑った顔も泣いた顔もすべてが愛らしく、その一日がかけがえのない記念になります。


お祝いの時期と場所

七五三の日は本来11月15日ですが、最近では10月から11月の好きな日にお祝いするご家庭が多いです。

混雑を避けたい場合は平日や10月の早めの時期を選ぶのもおすすめです。

参拝先は自宅近くの氏神様や、由緒ある神社・お寺など、家族にとって縁のある場所を選ぶとよいでしょう。

ご祈祷をお願いする場合は、事前に予約や初穂料(5,000〜10,000円程度)の確認をしておくと安心です。

準備編:これだけは押さえておきたいポイント

七五三を気持ちよく迎えるためには、衣装選びや撮影の計画、参拝先の確認など事前の準備が大切です。

慌てずスムーズに当日を過ごすために、ここでは3歳ならではのポイントを整理しました。家族で楽しむ一日のために、ぜひ参考にしてください。

衣装の選び方

女の子の和装(被布・着物)

3歳の女の子は「三つ身(みつみ)」と呼ばれる仕立ての小さな着物に、帯の代わりに「被布(ひふ)」を羽織るのが定番です。

帯を締めないため窮屈さがなく、動きやすいので初めての和装でも安心です。

丸みのある被布のシルエットは幼さを引き立て、3歳ならではの可愛らしさを表現できます。

ただし草履は歩きにくい場合があるため、移動中はスニーカーや靴を使い、写真撮影のときだけ草履に履き替える工夫をするご家庭も多いです。

小さな手に巾着を持って、神社で迎える特別な日。

男の子の和装(羽織・袴)

3歳の男の子の七五三では「着物」が人気です。

本来、羽織袴は5歳の「袴着の儀」に由来するため、3歳では袴にこだわる必要はありません。

まだ幼さの残る時期なので、袖のない上着「被布」もよく似合い、脱ぎ着がしやすい点でも便利です。

青い着物と白い被布が映える、特別な日のひとコマ。

洋装(ドレス・スーツ)

和装だけでなく、ドレスやスーツを選ぶご家庭も増えています。

着慣れているため子どもが過ごしやすく、撮影では映える一着になります。

特に女の子はふんわりしたドレス、男の子は小さなタキシードやスーツ姿が人気です。

参拝は和装、撮影だけ洋装という組み合わせも素敵です。

正装の洋服姿で神社へ。着物とはひと味違うお祝いのスタイル。

小物の工夫

女の子は髪飾りやバッグ、男の子は小さな扇子や懐剣(かいけん/飾りの短剣)など、小物を合わせると特別感が増します

子どもの好みに合わせて選ぶと、当日も楽しい気持ちで過ごしてくれます。

七五三を彩る小物たち──女の子は筥迫や髪飾り、男の子は懐剣やお守りを身に着けます。

記念撮影の計画

七五三のもうひとつの楽しみが記念撮影です。

せっかくの特別な日だからこそ、子どもの笑顔をしっかり残しておきたいですよね。

スタジオ撮影

プロのカメラマンやスタッフがいるため安心感があり、衣装や小物も揃っています。

照明や背景が整っているので、きちんとした記念写真を残したい方におすすめです。

ロケーション撮影

神社や庭園で自然光を活かした撮影をするスタイルです。

外の空気に触れながら、子どもの自然な笑顔を引き出せます。

紅葉や銀杏など季節感を背景にできるのも魅力です。

出張撮影

カメラマンが自宅から同行してくれるスタイルです。

移動中や準備中の何気ない表情も残せるため、より日常に近い記録になります。

子どももリラックスできるのでおすすめです。

どのスタイルでも秋の七五三シーズンは予約が集中します。

撮影は子どもの体調や機嫌を考えて、午前中やお昼寝の前など、比較的元気な時間帯を選ぶとスムーズです。

参拝先の決定と予約

参拝する神社やお寺は、家族の思い入れやアクセスのしやすさで選びましょう。

氏神様にお参りするご家庭もあれば、有名な神社を選ぶご家庭もあります。

ご祈祷をお願いする場合は、事前の予約が必要なこともあります。

特に人気の神社は数か月前からいっぱいになることもあるので、早めに確認すると安心です。

駐車場や授乳・休憩スペースの有無など、子ども連れに優しい環境かどうかもチェックしておきましょう。

祖父母への連絡・調整

祖父母が参加する場合は、日程を早めに伝えておきましょう。

当日は移動や待ち時間があるため、祖父母の体調にも配慮して計画を立てると安心です。

参拝後に食事会を予定するなら、個室を予約したり、お子様ランチのあるお店を選んだりするのがおすすめです。

子どもが飽きずに過ごせる工夫をすることで、家族全員がゆったりと楽しめる一日になります。

当日の流れと注意点

自宅での支度

七五三の朝、まだ小さな3歳のお子さんにとって、着慣れない着物やヘアメイクの時間は、ちょっぴりドキドキする特別なイベントかもしれません。

普段と違う雰囲気に戸惑ったり、飽きてしまったりすることも、もしかしたらあるかもしれませんね。

そんなお子さんがご機嫌を損ねずに、最高の笑顔で当日を迎えられるよう、ご家庭に合わせた準備と無理のない工夫を心がけてみてはいかがでしょうか。

ゆとりのあるスケジュールを組んでみましょう

着付けやヘアメイクは、想像以上に時間がかかることもあります。

特に3歳のお子さんは集中力が長続きしにくいものですので、いつもより少し余裕を持ったスケジュールを組んでみるのがおすすめです。

バタバタせずに、お子さんのペースでゆっくりと準備を進められる環境が整うと、親御さんの心にもゆとりが生まれるかもしれません。

お子さんが飽きないための工夫もご検討ください

準備中も楽しく過ごせるよう、いくつか工夫を凝らしてみるのも良いでしょう。

好きなおやつや飲み物を用意してみる

ちょっとした休憩時間に気分転換になるかもしれません。

お気に入りのおもちゃや動画を活用するのも一案です

お子さんの集中力を保つための「とっておきの手段」を用意しておくと、いざという時に役立つかもしれません。

ただし、着物やメイクを汚さないように注意は必要ですね。

ポジティブな声かけで気分を盛り上げてみては

「お姫様みたいだね」「可愛いね!」といった言葉で、七五三への期待感を高めてあげるのも良いでしょう。

事前にできることは前日までに済ませておくと安心です

当日の朝は着付けやヘアメイクに集中できるよう、持ち物の準備や着物の確認など、前日までにできることは済ませておくのがおすすめです。

親御さんの心の準備も整い、朝をよりスムーズに迎えられることでしょう。

お子さんのペースを一番に考え、焦らず優しく声かけをしながら準備を進めることが、七五三の朝を笑顔で乗り切る大切なヒントになるのではないでしょうか。


参拝〜ご祈祷

神社に到着したら、まずは神様にご挨拶をする準備を整えてみてはいかがでしょうか。

水舎(てみずや・ちょうずや)での作法を確認してみましょう

ほとんどの神社には、参拝の前に身を清める「手水舎」があります。

お子さんにとっては初めての体験かもしれませんので、一緒に手を洗い、口をすすぐ作法を簡単に教えてあげるのも良い経験になるでしょう。

清らかな気持ちで神様にご挨拶するための大切なステップです。

鳥居をくぐる際は、軽く一礼をしてみては

神社の入口を示す鳥居は、俗世と神聖な場所との境と考えられています。

鳥居をくぐる際に軽く一礼をするのが、神様への敬意を示す作法とされています。

お子さんも真似して一緒に一礼してみると、良い記念にもなるかもしれませんね。

ご祈祷の受付と流れを事前にチェック

その後、多くの場合、社務所などでご祈祷の受付を済ませることになります。

初穂料(お納めするお金)の目安や、申し込み方法(当日受付か事前予約か)を事前に確認しておくと、当日の流れがスムーズに進むでしょう。

ご祈祷は、神職の方にお子さんの健やかな成長を願っていただく大切な時間です。

所要時間はおおよそ15〜30分程度が目安ですが、神社によってその流れや、待ち時間が異なる場合があります。

お子さんの集中力も考慮し、事前に神社のウェブサイトなどで情報を確認したり、可能であれば問い合わせてみたりすると、安心して参拝に臨めるのではないでしょうか。

お子さんと一緒に、日本の伝統的な作法に触れながら、健やかな成長を願う特別な時間をお過ごしください。


3歳七五三の記念撮影

大切な3歳の七五三、可愛いお子さんの姿を最高の写真に残したいですよね。

記念撮影には大きく分けて2つのタイミングと、3つの撮影スタイルがあります。

・撮影のタイミング

  • 参拝と同日撮影:
    • メリット: 移動が一度で済む、全ての日程を短期間で終えられる。
    • 注意点: 3歳のお子さんには体力的な負担が大きいことも。疲れて笑顔が少なくなる可能性も。
  • 別日撮影:
    • メリット: 時間に余裕があり、お子さんの機嫌の良い時に撮影できる。様々なポーズやシチュエーションでじっくり撮れる。
    • 注意点: スケジュール調整が二度必要になる。

撮影のスタイル

  • スタジオ撮影:
    • 特徴: プロの照明とセットで本格的な写真が撮れる。天候に左右されない。
    • おすすめ: きっちりとしたフォーマルな写真を残したい方。
  • ロケーション撮影:
    • 特徴: 公園や庭園などで自然な表情を撮れる。季節感を出せる。
    • おすすめ: 開放的な雰囲気の中で、生き生きとしたお子さんの姿を残したい方。
  • 出張撮影:
    • 特徴: 参拝先の神社で、ご祈祷の様子や家族の自然な姿を記録できる。
    • おすすめ: 参拝当日のリアルな思い出も写真に残したい方。

3歳七五三のお祝い食事会

七五三の参拝や撮影を終えたあとに、食事でお祝いをするご家庭もあります。

必ずしも必要ではありませんが、家族が集まる貴重な機会なので、希望に合わせて計画してみましょう。

食事会には大きく分けて2つのスタイルがあります。

自宅でのお祝い

特徴:子どもが落ち着いて過ごせる。自由な時間配分ができる。
おすすめ:小さなきょうだいがいる家庭や、リラックスした雰囲気で過ごしたい方。

レストラン・料亭でのお祝い

特徴:華やかな雰囲気で非日常感を味わえる。料理やサービスを楽しめる。
おすすめ:祖父母を招いてしっかりとしたお祝いをしたい方。

どちらを選ぶにしても、「子どもが最後まで楽しく過ごせるかどうか」がポイントになります。

家族にとって無理のないスタイルを選んで、七五三を締めくくりましょう。

よくある質問 Q&A:これで安心!七五三のお悩み解決ガイド

3歳のお子さんの七五三に関して、よくいただくご質問にお答えします。

ご家族に合った七五三を計画するためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。


**Q1きょうだいの衣装は、どのようにすれば良いでしょうか?**

A: きょうだいがいる場合、主役のお子さんに合わせて衣装選びに悩む方もいらっしゃるかもしれませんね。

  • フォーマルな洋装で十分です。 男の子ならスーツやジャケット、女の子ならワンピースなどがおすすめです。主役のお子さんの隣に並んだときに、上品でまとまりのある印象になります。
  • 和装で統一感を持たせるのも素敵です。 もし可能であれば、きょうだいも和装にすると、家族写真全体に統一感が出て、より一層華やかな思い出が残せるでしょう。
  • 無理に揃える必要はありません。 一番大切なのは、きょうだい全員が快適に過ごせること。主役のお子さんを引き立てつつ、きょうだいそれぞれが動きやすい服装を選ぶのがおすすめです。

**Q2お祝い金やお返し(内祝い)のマナーについて教えてください。**

A: 七五三のお祝いをいただいた際のマナーは、気になるポイントですよね。

  • 祖父母からお祝いをいただいた場合:
    • 食事会へご招待: 一番のお返しは、お子さんの晴れ姿を見てもらい、一緒に七五三のお祝いをすることではないでしょうか。食事会を企画し、感謝の気持ちを伝えるのが一般的です。
    • 記念写真のプレゼント: プロに撮ってもらった七五三の写真をアルバムやフォトフレームに入れて贈ると、大変喜ばれるでしょう。素敵な思い出の共有になります。
  • 内祝いの用意もご検討ください: いただいたお祝いの金額に応じて、感謝の気持ちとして品物を贈る「内祝い」を用意するご家庭も増えています。お子さんの名前入りの品物や、お菓子などが人気です。お祝いをいただいてから1ヶ月以内を目安に贈るのが一般的です。

**Q3もし七五三当日が雨だったら、どうすれば良いでしょうか?**

A: 雨の日の七五三は少し心配になりますよね。でも、いくつかの対策で素敵な一日を過ごすことができますよ。

  • 移動が多い場合は洋装への切り替えも安心: 着物は濡れると大変ですし、足元も滑りやすくなります。雨量が多いようであれば、移動中は洋装にする、または最初から洋装で参拝するという選択肢も考えておくと良いかもしれません。
  • スタジオ撮影を中心に計画する: ロケーション撮影を予定していた場合でも、スタジオ撮影なら天候に左右されません。スタジオでじっくり写真を撮り、参拝は短時間で済ませるというのも賢い方法です。
  • 神社でも屋根のある場所を活用: 多くの神社には屋根付きの回廊や場所があります。そういった場所をうまく活用して、写真撮影をしたり、雨宿りをしながら参拝を進めるなど、臨機応変に対応しましょう。傘やタオルを多めに持っていくと安心です。

**Q4子どもが着物を嫌がってしまったら、どうしたら良いですか?**

A: 慣れない着物に、お子さんが戸惑ったり嫌がったりするのはよくあることです。そんな時は、無理強いせず柔軟に対応してあげましょう。

  • 「すべて完璧に」という気持ちを手放して大丈夫: 七五三は、お子さんの成長を祝う大切な行事ですが、完璧を求めすぎると親も子も疲れてしまいます。お子さんが笑顔で過ごせることを最優先に考えてあげましょう。
  • 洋装と組み合わせるのも一つの方法です:
    • 参拝だけ洋装で: 移動やご祈祷中は動きやすい洋服にして、写真撮影の時だけ着物に着替える、というのも良いでしょう。
    • 撮影の一部だけ着物を着せる: 撮影スタジオで、着物と洋装、両方で写真を撮るプランを選び、お子さんが飽きないうちに集中して着物での撮影を済ませるのも有効です。
  • その子に合った形でお祝いすることが何よりも大切です。 お子さんが「楽しい!」と感じられることが一番の思い出になります。着物でなくても、家族みんなで健やかな成長を祝う気持ちがあれば、きっと素晴らしい七五三になるはずです。

まとめ

3歳の七五三は、子どもの成長を願うとともに、家族の節目を感じられる大切な行事です。

衣装選びや撮影、参拝の流れなど、準備することは多いですが、一つひとつ整えていけば無理なく迎えられます。

大切なのは完璧さではなく、その日その時の姿を家族で喜び合うことです。

今年の七五三は、ご家庭らしいかたちで思い出を残してみてはいかがでしょうか。

✿コラム:Fumi’s Kimono Diary ✿

衣替えのタイミングで、子どもの着物を出してみました。

去年はぶかぶかだった袖が、今年はちょうどよくなっていて、成長の早さに驚かされます。

アルバムを開くと、自分の七五三の写真も出てきました。

少し緊張した顔で千歳飴を持っている幼い自分に、思わずくすっと笑ってしまいます。

七五三は当日の晴れ姿だけでなく、その前後の準備や振り返りの時間も含めて、家族にとって特別な節目なのだと感じました。

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